一度使ったら戻れない!?新しい生理用品「月経カップ」

女性なら誰しも一度は感じる、生理のわずらわしさ。使い捨ての生理用品はゴミが出るし、身体や環境のことを考えて使い始めた布ナプキンは何だか洗うのが面倒。そんな時に便利な、月経カップについてご紹介します。
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(写真:Lunette Menstrual Cup

月経カップの構造と始まり

最近日本でもよく知られて来た月経カップ。NPO団体「フェム・インターナショナル」が東アフリカの女性たちに配布支援したことでも話題になりましたね。とは言え、実際に使っている方はまだまだ少ないのではないでしょうか。

これまでの生理用品が経血を「吸収する」という概念だったのに対し、月経カップは直接膣の中で「溜める」というもの。経血が溜まったら中身を捨て、洗って何度でも使えます。ほとんどの月経カップはシリコン製のため、タンポンと違って膣の中が乾燥しにくいという利点があります。そのため、膣内で黄色ブドウ球菌が増殖し、高熱や嘔吐などを引き起こす「トキシックショック症候群」のリスクがほとんどないと言われています。

月経カップの歴史は、1930年代にアメリカでゴム製のカップが生産されたのが始まりでした。その後1980年代後半に発売された「The Keeper」というカップが話題になってから、アメリカを始め、イギリス、カナダ、フィンランドなどでも販売されるようになりました。今では数多くの国々で月経カップが販売されています。

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(写真:Femme International

メリットとデメリット

筆者は月経カップを使い始めておよそ10年。長年使っていて感じたメリットとデメリットを挙げてみます。

<月経カップのメリット>

1.普段と同じように過ごせて快適

一度セットしてしまうと、最長12時間そのままにしておける月経カップ。個人差はありますが、量が多くない場合は朝と夜に入れ替えるだけで大丈夫なことも。プールや温泉にも普段通り入れますし、生理中ということを忘れてしまいそうになる程です。どんな体勢をしても、身体の外に漏れる心配がほぼありません。

2.ゴミが出ない

繰り返し使えるため、ゴミが出ず、地球環境への負荷を減らすことできます。ゴミが出ないのは布ナプキンも同様ですが、使用済みのものを家まで持ち帰る必要もありません。何も持たずにトイレへ行くことが出来るため、外出の際の荷物も減って身軽です。

3.長く使えるので経済的

月経カップは、一度買うと10年程持つといわれています。およそ4,000円前後で販売されていますが、値段はメーカーによって様々です。使い捨ての生理用品のように毎回買い足す必要がなく、お財布にも優しいですね。ただし、実際に長く使ってみると汚れが気になってくるので、筆者はこの10年の間で2回買い換えました。

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<月経カップのデメリット>

1.慣れないと使いづらく、異物感があったり漏れたりする

月経カップを使用する際に一番心配なのが、使いこなせるかどうかだと思います。実際タンポンを使ったことがない方にとっては、ハードルが高いかもしれません。着けたり外したりする時に違和感がないわけではありませんし、なかなかうまく取れないこともあります。また、きちんと装着されていないと異物感がありますし、漏れの原因にもなります。

2.外出時に洗う場所がないと困ることも

洗って何度も使える月経カップですが、外出時は洗う場所が常に確保されているとは限りません。個室の中に洗面台があるとよいのですが、ない場合はカップをティッシュなどで拭いて、再度装着することになります。また、取り出す時に落としたり、こぼしてしまったら大変です。ある程度まとまった量の経血が入っているので、結構すごい状態になってしまうかもしれません。筆者は一度外出時に便器の中に落とし、使えなくなりました。

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使い方のポイント

うまく使えたらとても便利な月経カップ。キャンプや旅行に行く時などは荷物が減って便利な反面、清潔に洗える場所がないと心配なところもあります。予備のカップを持ち歩くと、洗えない場所でも清潔なものに交換できて便利かもしれませんね!

冒頭でお伝えした東アフリカの女性たちには、カップと一緒にタオル、石けん、手鏡、カップを洗うためのボウルがセットで支給されたとのこと。最低限、手を洗える環境が欲しいですね。トイレへ入る前に手を洗うことも、忘れずに行いたいポイントです。

装着の際には、中でカップがきちんと開いていないと確実に漏れてしまいます。カップの底部を一周ぐるりと指でなぞってみて、凹凸がないか確認するとよいでしょう。外す時には下腹部に少し力を入れ、カップを押し出すようにしながら引っ張るとスムーズです。同時に、カップの底部を持って軽くつぶしながら行うと、うまく外せます。ステムと呼ばれる尻尾の部分だけを持って一気に引っ張ると、勢い余ってこぼれてしまうこともあるので注意してくださいね!

取り替えるタイミングは人それぞれですが、少し漏れた感じがした時に交換するのが分かりやすいかと思います。念のため、薄手のライナーを着けておくと安心です。また、着脱の際にはどうしても手が汚れてしまうので、取り外す前にティッシュを手にしておくと慌てずに済みます。

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選び方のポイント

今や様々なメーカーから発売されている月経カップ。形やカラーバリエーションもいろいろあって迷ってしまいますね。

サイズに関しては、日本人は北米や欧州の女性と比べて小柄なため、適応条件に限らず小さめを選んだ方が始めやすいでしょう。逆に小さすぎると奥に入り過ぎて、取り出しにくくなることもあります。ただしこのような場合には下腹部に力を入れると下りてきますので、焦らなくても大丈夫です。

弾力性についてですが、固過ぎると着脱が少し大変ですし、柔らか過ぎるとカップが中で開きづらい場合があります。経験上、適度に柔らかいものが使いやすいように感じます。サイズだけではなく弾力性もメーカーによって異なるので、説明をよく読んで比べてみるのもいいですね。

ちなみに筆者は、以前カナダの「Diva Cup」モデル1を使っていました。現在はチェコの「Yuuki」スモールサイズを使っています。「Diva Cup」と比べると小さめで、適度な弾力と形が扱いやすく気に入っています。

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(写真:Menstrual Cup.co

月経カップのまとめ

月経カップは現在日本の薬事法で許可されていないため、生理用品として発売されていません。ネット通販などで購入するか、または、販売している国に行って手に入れることになります。

日本での普及率がまだ少なく、始めるには多少ハードルが高いかもしれませんが、一度慣れてしまえば便利で手放せない月経カップ。一個買うと生理用品代が数年分節約できることを考えても、試す価値はあるかもしれませんね。

参考:
Femme International
Diva Cup
Menstrual cup Yuuki

この記事を書いた人

筒井 柚紀子
筒井 柚紀子
東京でのOLを経て、カナダへ渡り音楽を学ぶ。エコロジーに関心が高い山奥の町に住んだことから、自然と共存するライフスタイルに深く影響を受ける。帰国後はシンガーソングライター、音楽インストラクターとして活動するほか、旅情報などの記事を執筆している。
Yukiko Tsutsui Official Website http://tucciey.com/