「人生は花のよう!」生きる喜びを帽子に詰め込んだRuuさんの半生記

インタビュー Vol.4 帽子アーティストRuuさん(Salon de Ruu Ruu)

Cucuruインタビュー第4回目は、帽子アーティストのRuuさんです。Ruuさんがつくる帽子は色とりどりで軽やかで、身に着ける人も、見ている人も、笑顔になってしまう魔法の帽子なのです。今回はRuuさんのこれまでの活動を振り返りながら、作品づくりのお話をうかがいました。

帽子アーティストRuuさん

銀座で出会ったイタリアの糸と9本のかぎ針から始まった帽子づくり

‐Ruuさんが帽子づくりを始めたきっかけを教えていただけますか?

あるとき、銀座できれいなイタリアの糸と9本の素敵なかぎ針setを見つけて、帽子を編んでみたの。そしたらソニア・リキエルみたいなベレー帽ができてね、「あ、これさえあれば、どこでも旅しながらできる!」と閃いたんだ。そのあと、なんか外国にいかなきゃと思って旅に出たの。

スペインに住みながら、ヨーロッパやアフリカを旅して帽子を作ってたら、気がついたら70個くらいできててね。帽子たちをトランクに詰めてPARISに飛んだ時に、ふと「帽子屋になろう」って思ったんだ。それで日本に帰ってきて、1988年に千駄ヶ谷(東京)でアトリエRUU RUUをスタートしたの。

旅でつくった帽子
旅先でつくった帽子

衣装デザイナーとしての日々

‐この頃からミュージシャンの舞台衣装も多く手がけられてますよね?

帽子屋を始めた直後、清志郎さん(RCサクセションの忌野清志郎さん)から衣装の依頼が来てね、帽子屋でスタートしたのに衣装屋の方で有名になっちゃったの。

‐元々ミュージシャンの方々とのつながりがあったんですか?

ううん。たまたま金子マリちゃんと知り合いになってね、マリちゃんが清志郎さんとツアーを組んでた時に紹介してくれたのかな?ほんと、ラッキーだったのよね。

‐想い入れのある衣装はありますか?

清志郎さんにはじめて作った衣装かな。開演30分前に楽屋に持ってくるように言われて、サイズが合わないとこわいから、ズボンのウエストはゴムにしたりしてね。

ランニングシャツは真ん中の透けてる所にスパンコールが入ってて、キラキラが動くの。好きなように、美しいと想うままにまかせて自由に作ってたなぁ。清志郎さんは着こなすのも上手だし、どんな服も自分のものにしちゃうセンスがあったよね。

初めてつくった忌野清志郎さんの舞台衣装
初めてつくった忌野清志郎さんの舞台衣装

ロックの衣装展「光れる服」について

‐1991年に開催したロックの衣装展「光れる服」について教えていただけますか?

今まで作った衣装をミュージシャンの人達から借りて、恵比寿のものすごく大き な会場で4日間の展示会をやったの。衣装にフォーカスした展示会をしたくて ね。ファンの人もいっぱい来たよ。

帽子の箱を200個用意して、鏡の破片を貼ってデコレーションしたり、お花を空 気の装置で飛ばしてみたり。準備がすごく大変だったし、なんでこんなことした んだろうって感じだけど、でも、なんかやりたかったんだよね。笑

ロックの衣装展「光れる服」
1991年に開催したロックの衣装展「光れる服」

この時、目玉としてロックの結婚式の衣装を作って、オープニングのショーで、 YOUちゃん(フェアチャイルド)が着てくれたんだ。

‐この衣装めちゃくちゃ素敵ですね。かっこいい!

こういう世界観がすごく好きなの。1920年代のバレエ・リュスというか、男でもない女でもない中世的な感じがね。この頃作っていた作品は今よりもっと派手だったかもね。

ロックの結婚式の衣装
ロックの結婚式の衣装

‐「光れる服」はまさにRuuさんの衣装デザイナーとしての集大成な感じがしますね。写真からも勢いを感じます。

うん。いい仕事させてもらったと思う。今は全部自分でやってるから、全然違う タイプの作品を作ってるけど、2013年にマジカル・レインボーというライブパ フォーマンスショーをやって、そこから再び自分らしい衣装づくりに開眼できた ような気がして、これはこれで気に入ってるんだ。

本当はもっとボンボンボンって行くはずだったんだけど、色々あってね。夢以 (息子さん)が生まれたこともきっかけで、東京から奈良の天川に引っ越して、 まったくの別世界で山暮らししながら、子育てに専念したんだ。

帽子アーティストとしての再スタートと100%PARADEの始まり

それから、また帽子を外の世界に発表したいなと思い始めて、2007年に東京で「祝祭の歌」という個展をやったの。夢以(息子さん)も大きくなったしね。この時、前から考えていたパレードを実験的にやってみたんだ。

友達に声をかけてみたら50人くらい集まって。個展の後にみんなで帽子をかぶって、代々木公園まで歩いてみたらパレードになってね。みんなが、「楽しい~!」と言ってくれて、これはいけると思ったんだ。

‐パレードは本当に楽しいですよね。華やかな帽子やきらびやかな衣装をまとって、音楽に合わせながら踊り歩いて。

パレードに関してはノーコンセプトなの。もちろん深いところではあるよ!けど、主義主張や政治的なこともノーコメントで、反対も賛成もないの。PARADEというARTを共有して、生きる喜びとか、表現の自由とか、愛のエネルギーを放っていけたらいいなと思ってるんだ。

100%PARADEの様子
100%PARADEの様子 写真:杉山 正直

‐これまで、渋谷や金沢文庫、パリ、台湾など色々な場所でパレードをされていますが、これから挑戦してみたい場所はありますか?

去年、国立に引っ越してきたから、この街のstreetに絵を描くようにパレードしてみたいな。streetにパレードをすることを定着させていきたいね。

帽子づくりと最近オープンしたSalonについて

‐本日はRuuさんのSalonにお邪魔してるのですが、素敵な帽子がたくさんありますね!どうやって帽子を作ってるんですか?

パーツをいかしてできる帽子もあるし、布が勝手に作ってくれる帽子もあるし、その時どきによって現れ方がすべて違うかな。これにはこれがあうな、とか、ここはこうしてみよう、とか、ひとりでにできてくるの。

時々ね、帽子が生きてる感じがするんだよね。すごくキレイだな~、本当にかわいいな~、なんて思いながら作ってる。笑

Ruuさんのつくるボウシや神かざり
Ruuさんのつくるボウシや神かざり

‐Ruuさんの帽子は空気をまとってるようなふわふわしたものが多いですよね。中にはアイマスクやシャンパングラスを使ったものもあって、遊び心に溢れてると思います。

わたし硬い帽子は苦手なの。疲れちゃうから。笑 アイマスクやシャンパングラスも、特に何か考えてというわけじゃないけど、「使えるな~」と思ったから使っただけ。捨てるのもったいないじゃない?

昔はタワシとかヘチマも使ったりしてね。素材は、海外に行った時に買ったりしてるのが多いから、けっこう貴重なものも多いかな。PARISののみの市で見つけたアンティークとかね。

‐今後のご活動について教えていただけますか?

最近Salonをオープンしたばかりなの。若い頃から憧れていたPARISのアパルトマンのようなお部屋でね。ここはショップでもあり、住まいでもあり、アトリエだから、作品を展示したり、帽子づくりの教室や、色んなイベントをやっていきたいと思ってるんだ。レンタルスペースとしても考えてて、みんなが集まれる憩いの場所になったらいいな。

Salonへつながるトビラ
Salonへつながるトビラ

‐国立を拠点に、また新たな物語が始まりそうですね!これからのますますのご活躍を楽しみにしています。Ruuさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

<編集後記>
お話をうかがって、Ruuさんは自由を愛し、心の感じるままに表現しているのだなぁ、と思いました。そこに理由や理屈はなく、ただ好きなことを好きなようにするだけ、というシンプルな想いがあるように感じました。

Ruuさんの帽子や髪かざり(Ruuさんは神かざりと呼びます)を身に着けると、どこか心が軽やかになる気がするのは、自由が溢れているからかもしれません。
まるで帽子が、「一度きりの人生、いまを楽しく生きようよ!」と言っているようです。

機会があればぜひRuuさんのアトリエを訪れたり、パレードを間近にみて、Ruuさんと帽子の魅力を実際に感じて欲しいなと思います。

Ruuさんの作品ページはこちら

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Cucuru運営スタッフ
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